誘ってもいないのに振られた時のこと|今日は息子の誕生日です
今日は息子の誕生日です。
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7年前の今日の話。
母子ともに無事だったものの。
なんかイロイロ大変で。
最後の方は、「私、ドリフのコントの志村けんの役やってる?」と思えるほどでした。
まず、分娩台が冗談じゃなかった。
いきむ用の握り棒があったのですが、手が届かない!
助産師さんが、「これ変なんですよぉ~、背の高い人は届かないんですぅ。」
私、特別デカくもないんですけど!
165いかないくらいですけど!
165いかないくらいですけど!
先生達も「ふざけてんのか!」って感じで。
息子がなかなか出てこなくて吸引分娩するかどうかって場面になって。
私の股ぐらのとこで、二人見つめ合ってモジモジしてるんです。
「どうするぅ?」「・・・。」
「どうするぅ?」「・・・。」
「どうするぅ?」「・・・。」
はよ決めたらどうですか!
後になってわかったのですが、すごくリスキーな判断を迫られていたようです。
先生同士、モジモジと責任のなすり付け合いしてたんだなと。
陣痛促進剤も使いました。
「促進剤って同意書いるよなぁ?」
「普通はいるけどなぁ・・・。」
「まあええんちゃう。」
ええんかい!
せめて私に「促進剤使いますね、よろしいですか?」くらい聞いたらどうよ???
キラッキラに研がれた裁ちばさみ(にしか見えないはさみ)をシャキーンと見せつけながら、「股、切りますねえ。」って宣言するし。
先生、絶対楽しんでるでしょ?
吸引するための、トイレのすっぽん(ラバーカップ)そっくりの道具も、肩に掲げて得意げに出してきたし。
本当に形も大きさもトイレのすっぽんなんですよ。
「え~、こ、これが・・・入るのぉ???」
しかも、すっぽんより断然スゴくて。
エンジンがついてるんです!
先生が思いっきりヒモ(スターターと言うそうです)を引っ張ると!
「ブルン、ブルン、ブルンっ。」って轟音が鳴って。
コントの一場面にしか思えませんでした。
しかし事態は深刻だったようです。
先生は一転真顔になり、一言一句私に問いかけるようにおっしゃいました。
「すっぽん使いますけど、すべてはおからさんの力にかかっていますから。」
もう一人の先生は中国人で。
声かけて励ましてくれるんですけどね。
「アグネスチャン?今、アグネスの出番はないはずよ?」って妙に冷静になりました。
すっぽんのおかげで息子がでてきました。
なんか急にビールが飲みたくなって。
「先生、ビール飲みたくなりました。」って言ったんです。
すると先生が言いました。
「イヤー、今当直中なんでねぇ。イヤー、ちょっと無理やわ。昔は当直でも飲んでたんですよ~。飲んでるときに呼び出されて診察するんですよ~。『先生、飲んではる時にすいません。』って言ってもらえたんですけど~。最近は厳しいですわ~。すんません~。」
誰もアンタなんか誘ってへんわ!
と言いたいのをこらえて、先生達を見送りました。
後で夫に聞いたら、「イヤー、危なかった、危なかった。」って二人盛り上がって当直室に消えていったらしいです。
朝の6時すぎ。
先生二人が病室に入ってこられました。
数時間前とは打って変わって、菩薩様のような柔和な笑みと物腰で「お加減いかがですか?」とおっしゃいました。
後光がさしていました。
あっけに取られつつ、「大丈夫です。」と答えると、ニッコリ微笑まれてしずしずと退出されました。
お医者さんって、頭良いだけじゃない、体力ある、胆力もある、包容力もあるし、選ばれし上級な人なんだなあと思いましたね。
こういう修羅場で日々過ごす上級な人達と、ご一緒できてよかったなあと、でも二度目はゴメンだわと思う息子の誕生日なのでした。
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